商標登録に関する質問

他人の商標権に抵触する場合の商標登録の仕方を教えてください

既に他人の商標権が存在する場合、その他人の商標権の権利範囲に抵触するような商標登録は認められません。

具体例で説明します。

例えば、既に登録されている他人の登録商標「はやぶさ」が存在した、とします。指定商品は説明の便宜上、第9類の「電子計算機用プログラム」であった、とします。

これに対し、後から商標「ハヤブサ」について、指定商品を第9類の「眼鏡、電子応用機械器具およびその部品」として、商標登録出願した、とします。

商標同士の対比では読み方の同じ商標は類似するものとして扱われます。ですので、この例では「商標が違う」、という言い訳は通用しません。

次に指定商品同士を対比すると、表現としては指定商品同士に共通点はありません。この場合はどうなるのでしょうか。

実は、「電子応用機械器具およびその部品」は、「電子計算機用プログラム」を 包含する上位概念になります。このため、「電子応用機械器具およびその部品」と「電子計算機用プログラム」とは表現は異なるのですが、権利範囲としては互いに抵触する内容になります。

ですので、上記の例のままでは、後から出した方は、他人の商標権に抵触する内容を含むことを理由として特許庁の審査で拒絶されます。

「電子応用機械器具およびその部品」の中に「電子計算機用プログラム」が含まれていて、商標法上は、「電子応用機械器具およびその部品」は「電子計算機用プログラム」と類似するものとして扱われます。

このままでは類似部分が残るので、権利範囲の内容としては抵触する部分が残ることになります。そこで抵触している部分を削除して消してしまうのが一般的な方法です。

実務上は、後から出した商標「ハヤブサ」の指定商品を「眼鏡」のみに補正します。

指定商品である「眼鏡」と、先の登録商標の指定商品である「電子計算機用プログラム」は類似しません。このため、指定商品が「眼鏡」だけである商標「ハヤブサ」は、指定商品が「電子計算機用プログラム」だけである登録商標「はやぶさ」と権利内容に重複するところがなくなります。

同じか、あるいは似ている商標同士であっても、指定商品とか指定役務に重複するものがなくなれば、互いに類似しているとはいえず、商標登録を受けることができるようになります(他の拒絶理由が存在しなければ。)。

後から出願した商標登録出願の指定商品等の内容が、全て先行する登録商標の指定商品等の内容に包含されている場合には、商標同士が似ている限り救うことはできません。

これに対し、後から出願した商標登録出願の指定商品等の内容が、先行する登録商標の指定商品等の内容に比べて、異なるものを含む場合には、その異なるものについて権利化を図ることができる、というわけです。